加賀藩祖前田利家の死後300年祭に当り、明治32年(1899)に刊行された加賀藩創始期の史稿である。記された年代は、初代利家(高徳院)の慶長4年(1599)の死去から、5代綱紀(松雲院)の享保8年(1723)致仕までを記す、第1巻は藩祖利家、第2巻は利家の一族、第3巻以降は主だった藩士凡そ100名について、夫々の系譜・事歴を記す。編纂の目的は、旧藩士族に藩祖の偉勲盛徳と、当時の家士の言行を偲ばせることであり、そのために古記録をもとにその実績を明らかにしようとした。引用した史資料の主なものには、三壷聞書・微妙公夜話・陳善録・判物・書簡・覚書・諸士系譜由緒書・墓碑銘などがある。尊経閣蔵版の用紙を用いている。 前田文書−121