天真白井流剣術の開祖白井義謙は、富山藩10代藩主利保に招かれ、富山藩士吉田有恒などに奥義を伝えた。天真とは、「大極本念の一気で、兵法においては天真を養い、純にする術、故に天真と名付く」と述べ、真剣とは「人その剣に手を付けずして自然の道理を以て刺し貫く意あり」と記し、払捨刀とは「斬也その器の自然なり」と記して奥義に触れる。この書は、師の白井義謙が述べたことを、天保6年(1835)に吉田有恒が記したが、弘化3年(1846)に改めて写したものである。また、吉田有恒が後段に、「真剣遣方ノ大概」、「真剣ノ遣方」を補綴している。 富山藩文書18