HOME

★当館所蔵の特設文庫を閲覧される場合は、備え付けの「貴重書等閲覧申請書」(書式  PDF WORD )にご記入の上、富山県立図書館館外貸出カードもしくは免許証・保険証等お名前・ご住所の確認できるものをお見せください。



内山文庫・内山文書

 戦前から社会運動に携わり、「富山県戦前社会運動史」を著した内山弘正氏から寄贈された5,663点。内山家伝来文書・記録3,249点は昭和44年に、内山家歴代の蔵書1,734点2,414冊は平成5年5月に寄贈されました。
 内容は代々旧富山藩十村役を勤めた同家に伝来し、富山藩農政研究の基本となる文書類のほか、歴代当主や親族の紀行、歌稿、書簡類などが中心であります。なかでも15代逸峰著した紀行文集や、20代松世(外川)への犬養毅、徳富蘇峰、若槻礼次郎からの書簡、松世夫人量子への土屋文明、吉野秀雄などの歌人からの書簡などは、十村役を勤めた旧家の幅広い交友と、高い教養が伺い知れます。
 また、図書類は内山弘正氏の個人蔵書のほか、松世などが収集した漢詩集や漢籍類、量子の歌集や「アララギ」(昭和5〜47年)などの短歌雑誌などが数多くあります。

冊子目録「内山文書・文庫目録」(1994刊)




大田文庫

 方言の生き字引きといわれ、元県立図書館長でもあった大田栄太郎氏の蔵書3,014冊。平成3年9月に遺族から寄贈されました。
 方言学を中心として民俗学・歴史学・文学などに及ぶ基本図書が幅広く収められているほか、方言採集ノート、牧野富太郎氏の生原稿や柳田国男氏からの書簡などの珍しい資料も含まれています。

冊子目録「大田栄太郎文庫目録」(1992刊)




志田文庫

 国文学者志田義秀博士の蔵書3,156冊(和本1,677冊、洋装和書1,100冊、製本雑誌379冊)。昭和20年5月東京在住の博士から寄贈されました。
 連日の空襲のなか、東京から当時の館長大田栄太郎氏らが命がけで富山へ輸送され、さらに県内の田舎へ疎開して戦災を免れた貴重なコレクション群です。天文11年(1542)の連歌書に始まり、昭和にいたるまでの俳書を主とした貴重な文庫で、蕉門の古俳書に珍重すべきものが多いといわれています。また博士は素琴と号し自ら作句され、結社も組織されましたが、その関係で近代では大須賀乙字・大谷句仏の系統の図書・雑誌が充実しています。
 義秀博士の令息延義博士からも数次にわたり追加寄贈を受けました。また本文庫には義秀博士自身の著書が少ないため、県立図書館一般蔵書中から本文庫へ繰り込み、あるいは新たに購入して補充をはかり、本文庫中の古書が復刻された場合は、その復刻本も本文庫に繰り入れ、現在の冊数となっております。
 県立図書館構内には「ひよこどもあびよ木陰の砂涼し 素琴」の句碑があります。

冊子目録「富山県立図書館蔵志田文庫目録」(1953刊)
「国書目録叢書」27巻(大空社,1998刊)




中島文庫

 山岳研究家・俳人中島正文氏が収集された蔵書4,500冊。昭和59年8月遺族から寄贈されました。
 氏は礪波地方の篤農家であった宮永正運の一族で地元津沢郵便局長の傍ら、日本山岳会員として黒部奥山研究を主とした山岳史研究、杏子の俳号で前田普羅の衣鉢を受け継ぐ俳誌「辛夷」の主宰、私立中島図書館の創設、津沢町立図書館長、富山県図書館協会長として活躍されました。
 コレクションには浪化上人の書入れと伝わる「有磯海・礪波山」(元禄8年)をはじめ、「続有磯海」、「鵜坂集」など元禄以来の古俳書が数多く収集され、志田文庫とともに俳諧書の重要コレクションになっています。
 なお、国書総目録の「杏文庫」の表示は当文庫であります。創刊年(大正13年)からの俳誌「辛夷」を始め、近代句集、俳句関係図書も多く、さらに、延宝6年以来の黒部奥山廻りの古記録や元禄13年以来の奥山絵図を中心とした山岳関係図書、雑誌「山岳」(明治39年〜)も収集されています。
 県立図書館構内には「夏山や地獄を抱きて紺青に 杏子」の句碑があります。

冊子目録「中島文庫目録」(1984刊)




廣瀬文庫

 郷土研究のエキスパートとして、県内外にその名を知られたばかりか、「古事記」「日本書紀」、さらに「万葉集」の研究者として中央からも注目される存在であった、元富山県立図書館長廣瀬誠氏の蔵書が平成24年3月に富山県へ寄贈されました。
 富山県立図書館では、そのうち“日本人の精神的バックボーン”をテーマに、日本神話・山岳信仰・日本古代史・万葉集・記紀関係の一般書2,493点、3,376冊を特設文庫として公開しています。
 万葉集や記紀研究では基本文献が網羅されていて、万葉歌人では大伴家持や柿本人麻呂のものが目に付きます。また、古事記写本の複製本も含まれています。一方、山岳信仰では、密教と融合して発達した修験道関係の文献が多数みられます。

冊子目録「廣瀬文庫目録」(2012刊)




間宮文庫

 図書館学者で図書館運動先覚者の間宮不二雄氏の蔵書1,133冊(和書875冊、洋書258冊)。昭和44年12月間宮氏から寄贈され、翌年の間宮氏の死去以後も遺族などから追加寄贈されています。また、LibraryQuartalyはその後の分を追加補充しているので。冊数は徐々に増加しています。
 図書館学に関する貴重なコレクションでありますが、戦災で焼失したため古い資料はありません。

冊子目録「間宮文庫目録」(1970刊)
「間宮文庫図書解題」(富山県図書館協会、1991刊)




三輪文庫

 郷土史家三輪国治(本名馬渕国治)氏の没後、昭和48年遺族から寄贈されました。内容は稿本180冊、図書109冊で、その後さらに89冊の追加寄贈を受け合計378冊収蔵されています。半数以上が氏の研究を原稿用紙にしたため、綴じて製本した稿本で、寺社研究、南北朝時代研究など多岐にわたっています。

「三輪文庫目録」(整理用仮リスト)




冷光文庫

 童話作家大井冷光の蔵書321冊(和書153冊、洋書122冊、製本雑誌44冊、稿本2冊)。
 冷光は本名を信勝といい、明治18年常願寺村の農家の一人息子として生まれ、幼いときに父母を亡くされたが富山日報社に勤務するかたわら、童話作家・登山家として活躍されました。明治44年に上京して久留島武彦に師事し、「少年」「少女」などを編集するとともに、全国各地に奔走して童話の自作自演に全力を傾けたが、大正10年3月5日神奈川県逗子小学校で童話自演中に倒れ、急死された。享年36才。
 本文庫中には「少年」「少女」のバックナンバー、アンデルセン、グリムなどの外国童話の原書があります。また、冷光がペン写したアンデルセンのノート(英語)2冊は貴重なものです。冷光自身の著書がほとんどないのは、遺族、親族に分配されたためであります。

冊子目録「冷光文庫目録」(1995刊)




県人文庫

 県人文庫は、県内出生者、在住・在勤者、県内学校卒業者など富山県と縁故のある著者の作品を、一堂に収集した特設文庫です。
 富山県の躍進があらゆるジャンルの知的人材によって支えられていることが、実際に図書を手にとって感じることができます。「こんな人が富山県出身者だったのか?」とユニークな出会いの場ともなっています。

冊子目録「県人文庫目録第1〜14集」(1993〜2006刊)





雪の文献

 雪に強い県土づくりを推進するための調査研究資料と、雪と生活文化に関する資料を収集し、耐雪、克雪、活雪、利雪、親雪など県民生活の重要な課題に応える目的で設置しました。
 雪氷学関係図書、積雪統計書、雪対策関係図書などのほか、雪に関する民話・風俗、雪をテーマにした文学作品、童話、絵本など幅広く収集されています。また、1920年以降に日本語で発表された理工学分野の雪に関する学術論文のコピーも収集しているのが大きな特徴です。

(平成20年2月入庫しました。)



HOME